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労災の遺族補償

  • 文責:所長 弁護士 石井浩一
  • 最終更新日:2023年7月7日

1 労働者が死亡したら

労働者が業務上の事由で死亡した場合、遺族は、労災保険における「補償給付」を受けることができます。

2 遺族補償給付の内容

遺族補償給付は、業務上、労働者が死亡したときは、その遺族の請求に基づいて行われるもので、「①遺族補償年金」と「②遺族補償一時金」があります。

①遺族補償年金は、労働者災害補償保険法で定められた一定の遺族の者を対象に給付されるものです。

②遺族補償一時金は、遺族補償年金の対象となる遺族が存在しなかった場合などにその他の遺族を対象に支給されるものです。

3 遺族補償年金について

⑴ 受給資格者

受給資格者(遺族補償年金の給付対象者となり得る遺族)は、労働者が死亡した当時、その収入によって生計を維持していた配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹です。

妻を除き、対象者ごとに、一定の要件(年齢や障害の要件)を満たす必要があります。

⑵ 受給資格者ごとの要件

遺族(補償)等年金の受給権者の順位と要件は下記のとおりです。

  1. ①「妻」、または60歳以上か一定の障害の「夫」

  2. ②18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか、一定の障害の「子」

  3. ※一定の障害とは、障害等級第5級以上の身体障害のことを指します。

  4. ③60歳以上か一定の障害のある「父母」

  5. ④18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか、一定の障害の「孫」

  6. ⑤60歳以上か一定の障害のある「祖父母」

  7. ⑥18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか、60歳以上または一定の障害の「兄弟姉妹」

  8. ⑦55歳以上60歳未満の「夫」

  9. ⑧55歳以上60歳未満の「父母」

  10. ⑨55歳以上60歳未満の「祖父母」

  11. ⑩55歳以上60歳未満の「兄弟姉妹」

⑶ 給付の内容

受給権者が2人以上あるときは、その額を等分した額がそれぞれの受給額となります。

ア 遺族(補償)等年金

①遺族数が1人の場合

給付基礎日額の153日分

※受給資格者が55歳以上の妻または一定の障害状態にある妻の場合は給付基礎日額の175日分となります。

②遺族数が2人の場合

給付基礎日額の201日分

③遺族数が3人の場合

給付基礎日額の223日分

④遺族数が4人以上の場合

給付基礎日額の245日分

イ 遺族特別支給金

300万円

ウ 遺族特別年金

①遺族数が1人の場合

給付基礎日額の153日分

※受給資格者が55歳以上の妻または一定の障害状態にある妻の場合は給付基礎日額の175日分となります。

②遺族数が2人の場合

給付基礎日額の201日分

③遺族数が3人の場合

給付基礎日額の223日分

④遺族数が4人以上の場合

給付基礎日額の245日分

⑷ 遺族(補償)等一時金

ア 遺族(補償)等一時金が支給される場合

下記①、②の場合に支給されます。

①労働者の死亡当時、遺族(補償)等年金を受ける遺族がいない場合、

②遺族(補償)等年金の受給権者が最後順位者まですべて失権したとき、受給権者であった遺族全員に対して支払われた年金の額及び遺族(補償)等年金前払一時金の額の合計額が給付基礎日額の1000日分に満たない場合

イ 受給権者

第1順位………配偶者

第2順位………労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していた子・父母・孫・祖父母

第3順位………その他の子・父母・孫・祖父母

第4順位………兄弟姉妹

ウ 給付の内容

①労働者の死亡当時、遺族(補償)等年金を受ける遺族がいない場合

a遺族(補償)等一時金

給付基礎日額の1000日分

b遺族特別支給金

300万円

c遺族特別一時金

算定基礎日額の1000日分

②遺族(補償)等年金の受給権者が最後順位者まですべて失権したとき、受給権者であった遺族全員に対して支払われた年金の額及び遺族(補償)等年金前払一時金の額の合計額が給付基礎日額の1000日分に満たない場合

a遺族(補償)等一時金

給付基礎日額の1000日分から、すでに支給された遺族(補償)等年金等の合計額を差し引いた差額

B 遺族特別支給金

なし

c 遺族特別一時金

遺族(補償)等年金の受給権者が全て失権した場合に、受給権者であった遺族の全員に対して支払われた遺族特別年金の合計額が算定基礎日額の1000日分に達していないときは、算定基礎日額の1000日分とその差額

⑸ 遺族(補償)等年金前払一時金

遺族(補償)等年金を受給することとなった遺族は、年金の前払いを1回に限り受け取ることも可能です。

若年停止により年金支給が停止されている方も前払いを受けることは可能です。

前払一時金の額は、給付基礎日額の200日分、400日分、600日分、800日分、1000日分の中から、希望する額を選択できます。

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